このシリーズは根底のお話は重複するところが多くなります。①首②背中③腰に関してですが一度どれかの記事で詳しく読んでいただいた方は他のシリーズでは重複点は飛ばしてお読みください。重複する文章は引用形式で表示してます。
痛みのある部分にはその周辺細胞に【炎症】=「熱」【静電気、電磁波】=「電位の偏り」【疲労、怪我】=「筋膜の拘縮」が起こり発痛要因になります。
これはだいぶ昔から治療家の中では常識的なことです。
最近ではパーソナルトレーナーが急増して、トレーナーの立場から痛みや体の不調を改善しようという治療家系トレーナーが「筋トレ」か「筋膜リリース」ですべての不調が治ると唱えています。
普通の専門学校を卒業した特別な経験のない治療家系トレーナーは他との住み分けのために過激な宣伝でYou Tubeやブログで情報発信しています。
そのような事が増えたため、世の中全体的に(特に日本)フィトネスが一部のマニアックな筋トレおじさんだけのものでないことが浸透しました。
これはとても良いことと思う一方、ある一定の複雑で複合的な症状を持った人が無理にフィットネスに走り状況を悪化またはより複雑なものにしている場合があります。
8割くらいの方はおそらく「筋トレ」と「筋膜リリース」によって肩こりや腰痛を満足いくレベルに改善できます。
ただ、逆の2割の人はYou Tubeを見たくらい、またはスポーツトレーナーの指導による「筋トレ」と「筋膜リリース」程度では良くなりません。または悪化しています。
8割に当たる多くの方は今後も適度に「筋トレ」と「筋膜リリース」を続けていただいてセルフケアを生活習慣にしてください。
2割りの深刻な方はそのYou Tubeでのテレビ番組並みの「あなたにとって曖昧な情報」に流されず、そこそこいい腕の整体師さんなどに、しっかり自分の体の状態を読み取ってもらい、あなただけに当てはまるアドバイスをもらうことをオススメします。
とは言うものの「筋トレ」と「筋膜リリース」は世の中の8割の方の症状改善にとても良く働きます。
ですので今日は施術効果に近い自分でできる筋膜リリースを【2割りの深刻な方向けバージョン】でお伝えしたいと思います。
いざという時知っていると役に立ちますので、是非ご覧ください。
そもそも筋膜の性質から知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
目次
どんな事が起きているか?
肩甲骨の周辺に起こる息が苦しくなるような背中の痛み
「筋群①」胸椎を支える筋肉(背中の痛みに関連する)
これらの筋肉(青い部分)が炎症を起こし痛みと可動制限を作ります。
背中の一部分に激痛が走ったり、呼吸をするだけで胸や背中に痛みが走る場合は図で表した「筋郡①」に極度の緊張が発生しています。その理由は根本的には「忙しくて腕を使いすぎているから」が多いです。
ただ寝違いなど首に起こる激痛の場合とは違って、時に硬い床の上で寝てしまった時や、うつ伏せで長い時間本やスマートフォンを使った時など、肋骨に対して普段とは違う方向への圧力がかかると突然起こる事があります。
下記の図のような「筋郡②」の使用頻度が高くなりすぎると「筋群①」の回復が間に合わなくなり蓄積疲労が「炎症」や「電位の偏り」「筋膜の拘縮」を起こします。
「筋群②」腕を機能させる筋肉(背中の痛みに関連する)
これらの筋肉(青い部分)の過労は腕を使いすぎることで起こります。
通常人の体は恒常性が維持されていれば安静によって回復します。
しかしそのバランスが崩れることによりこのような急性の炎症が起こることになるのです。
背中の骨のズレや椎間板変性はその途中どこかで複雑に関係してしまい、一つの要因になってしまう場合があります。どちらが先かはわかりません。
体の歪みを整えて瞬時に良くなる場合が多くありますが、そのときの症状や炎症を止める手立にはなるのですが、根本の要因を止める手立てとしては本来適切ではありません。
適切な手立ては過労を止めることです。関節の歪みの調整やアイシング、筋膜リリースは出続ける水道の蛇口を止める行為ではなく、たまるバケツの水を捨てる行為であることを初めから知っておく必要があります。
「忙しくて腕を使いすぎているから」という事が根本要因と言われると馬鹿げた話に聞こえるかもしれませんが、忙しいとは「デスクワーク」「作業」「家事」「エクササイズ」「趣味」どれにも当てはまり複合的に要因を持っていることもあります。
どの行為もその人にとってのある一定の限度を超えると、オーバーワークとなり疲労の回復と修復のバランスが崩れ蓄積になってゆきます。
そして、どの行為も全て手を使った行動が伴います。
そこに真の要因があります。
手を使わない忙しさとは、社会的に存在しません。
本を読んでも、パソコンで調べ物をしても工事現場で汗水流しても、どれも手を使うことが絶対条件です。
「忙しい」とは「手を使い体を過酷使している」となります。
その手を動かすときの働く浅層筋と深層筋がオーバーワークになり「熱」を持ち「電位の偏りが起き」「筋膜が拘縮する」そして「ピキッ」と背中や胸、脇などに痛みが走るのです。
基本的により深くにあり、脊椎を支えている筋肉がはじめに悲鳴をあげます。
比較的浅く、大きな筋肉は「ピキッ」というような炎症を起こすまでには相当の酷使が必要になるため「線維筋痛症」などの末期症状の時でないと現れません。
ちなみに痛みが走る瞬間は筋膜炎が起こる瞬間です。場合によって同時に胸椎5〜10番の関節が亜脱臼を起こす事が多いです。ズレるって事ですね。

手を使い過労する筋肉(背中の痛みに関連する)
(青い部分)
セルフケアの詳しい方法【4ステップ】
【ステップ1】1日の作業量(あなたの「忙しい」の要因)を計算して可能な限り減らす。
一番の根本解決は2週間休養をとることです。
それは現代社会において非常に容易でない選択肢なので根本解決が難しくなります。
それでは2週間休養を取らなくても徐々に根本解決に近づける方法をお教えします。
これは一番簡単作業で一番難しいのかもしれません。
10時間【あなたの「忙しい」要因】があるのならまず9時間にすることを考えればいいのですが、社会に追われている場合は急には無理ですね。
仕事とプライベートの合計で【あなたの「忙しい」要因】を作っているのであれが一旦どちらかを諦めて減らしましょう。
人間にとって「忙しい時間」は【8時間が最大】です。
良く以下のように考えますがそれも100点満点ではありません。
睡眠8時間+仕事8時間+余暇8時間=24時間(1日)
これは歴史的に人間が労働者として積み上げた文明の最終結論です。
このバランスを崩すと「王様」(国、会社、文部省)は結果として効率を落とし利益にならないためこの法則が生まれました。
それは労働者が「働かなくなる」(疲労する、怪我をする、病む、死ぬ)ためです。
税収や売り上げ、良い人材が生まれないのは支配者として大問題ですからね。
日本で「KAROUSHI」が多いのは「王様」(国、会社、文部省)がそのバランスの鉄則を破ったからです。
しかし趣味は余暇に入れると時に体としては過労になってしまうことがあるので原則的には8時間(仕事)の中に入れておくのが理想です。
今の8時間労働の社会では現実不可能です。すみません。
趣味はプロ並みにやりすぎないよう「ほどほど」に。
しかし、これはきっと社会とは別に人としてのルールなのではないかなと思います。
なぜここまで発展した文明で年々、体の不調を訴える人が増えているのか?
医療が発展するほどに病気が増えている。
今回のコロナウィルスの問題で気がついた人も多いと思います。
「そんなに働く必要あったのか?」
「みんなが鬼のように働かなければ同じように社会は回るんじゃないか?」
社会主義理論が強くなるのであまり言及しませんが、おそらくわかってもらえると思います。
寝違えた人の思いつきで労働基準法が変わる事はありませんが、毎日痛みで地獄のような人生をあと30年生きなければならないのなら考え直すことも必要です。
話はだいぶずれましたが、もしあなたが頻繁に寝違えたり、首の痛みや違和感で悩んでいるのであれば、すでにそれは忙しすぎるからです。
嘘ではないです。
整形外科でレントゲンやMRIをとって医師に「椎間板ヘルニアですから一生治らないです。うまく付き合っていくしかないですよ」なんて言われたのならそれも真っ赤な嘘です。
真に受けて絶望しないでください。
【ステップ2】熱を持った状態であれば(72時間)は【アイシング】する。
この期間中は組織の血流と充血が増大します。そのために痛み、発赤、発熱、および腫脹が起こるのが一般的です。
この段階での治療は痛みを抑え、炎症を弱めることに集中するべきで、安静にする、冷やす、圧する、心臓より高くする、などの手法が有効であります。RICE=(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:拳上)
腰痛の際行えるのは20分間氷でアイシングし2時間後また繰り返すという方法が安全です。
【腰痛専門学校】科目1「認知行動療法」5限目「治癒段階」3つの分別
背中の痛みの場合このアイシングでの早期の対処がとても効果的です。この場合ほとんど自覚する場所を冷やすだけで痛みは半減します。
【ステップ3】電位の偏りが起きていれば(炎症時に細胞に起こる科学的要因)それ以上起こさないため【アーシング】をする。
疲労した筋肉同士の摩擦や、ドロドロに汚れ粘土の上がった血液、アーシング をする機会を極度に失った現代の生活、IT化が急速に進み電磁波対策が整う前に広まった先端電子技術、などによって体の中の細胞にプラスイオン、マイナスイオンの不整列がおこります。
これが電位の偏りであり、炎症の際に起こる科学的証拠でもあります。
炎症する細胞には必ず電位の偏りが細胞膜に起こります。
いずれにしろそれを除去し再整列させる必要がありますがプラスよりに極端に偏ったこのような状況の際には自然に放電することを待っているだけでは追いつかない場合があります。
必要な事は以下の3つ。
・水を適量毎日飲み続ける事
・電磁波の多く発生する電子機器の使用を最低限に控える事
・アーシングする事
詳しい説明は以下の関連記事でご覧ください。
【ステップ4】筋膜の拘縮(炎症後微細でも発生する)が起きていれば【筋膜リリース】する。
下記筋肉は腕立て伏せとストレッチで簡単に弛緩させる事ができます。(青い部分)

まず、この段階は急性期が完全に終えている事が前提です。必ずそのことを守ってください。
激痛が治り、私生活は問題ないが首を回すとどちらか一方に可動域が制限されている状態がセルフケアが有効な修復期、再構築期です。目安にしてください。
筋肉を大きくする事が目的でないので、膝付きまたは鉄棒など負荷を軽くするようなやり方で十分です。回数を多くする必要はありません。
10回前後を目安に4秒で下がって2秒で上がるくないのゆっくりなペースで行ってください。
トレーニングというより関節を動かして筋・筋膜を再整列させるようなイメージです。
1分以上の休憩を挟み3セットくらいできるといいと思います。
下記の筋肉はソフトボール大の丸いボールがあればそれで簡単に弛緩させられます。(青い部分)
大きめのボールを使い壁と背中の間で転がします。
大切な事は硬くなっている筋・筋膜を捉えたらゆっくり時間をかけて転がす事です。コロコロやるような感じではほとんど効果がありません。マッサージみたいにその時だけ気持ちいいだけです。
一箇所15秒位かけて往復し、4から5往復しましょう。
下記の筋肉はフォームローラーなどを使い弛緩させる事ができます。(青い部分)
筒状のフォームローラーやグリッドローラーなどの筋膜リリースアイテムを使って効率よく筋膜リリースできます。
ボールでやる際と同様に硬くなっている筋・筋膜を捉えたらゆっくり時間をかけて転がす事です。コロコロやるような感じではほとんど効果がありません。マッサージみたいにその時だけ気持ちいいだけです。
一箇所15秒位かけて往復し、4から5往復しましょう。
「筋群①」は全く操作しません。
実際に影響を受けて疲労し炎症を起こす「筋群①」(青い部分)
手の使いすぎで筋肉が硬くなり抵抗になる「筋群②」(青い部分)
背中に起こるぎっくり背中や肋間神経痛(どれも通称)は深層筋や関節、軟部組織ににダメージが起こる物の要因になる部分はそのほとんどが筋膜罫線上の他の関連筋肉なのです。そのため緩める必要があるのは「筋群②です」
「筋群①」に対して「筋群②」は力の強い大きい筋肉です。「筋群②」は疲労して柔軟性がなくなることによって「筋群①」の抵抗になってしまいます。
それは無負荷での首の動き全てに対しても常に通常以上の力を出して動かなければいけないという事です。
根本療法とは以前にもお話ししたように、しっかり理解しなければ実行できません。
ここではどこが影響を受けて痛み、炎症が起きているか、そしてそれらはどこの影響で疲労しているかを理解する事です。
「筋群①」が影響を受けて痛み、炎症が起き、その影響を作り出しているのは「筋群②」というのが正解です。
筋群②の使いすぎと疲労により起こる「筋群①」の炎症や痛み。いくら「筋群①」をマッサージしたり筋膜リリースしても商売にはなっても根本改善はしないという事です。
セルフケアでも解決できなければ…
上記の対策を適切に行った上でも繰り返し痛みを発症してしまうのであれば、動物の自己治癒能力として最大の力を発揮する機能が働いていません。
恒常性の維持ができなくなっていることになります。
脳脊髄液の循環が何らかの要因により悪くなっている事が最大の原因です。
その多くは後頭関節、上部頸椎、仙腸関節、腰仙関節またそれぞれの椎間関節に原因がある場合が多いです。
そのような場合にはある程度体の仕組みを熟知した整体師やカイロプラクターに不動関節の調節を依頼する事が必要かもしれません。
闇雲にあちこち関節を慣らしたがる治療家の施術は最悪の展開になりますのでお気をつけください。
その人の体を熟知するまでは要点を絞った調節しか本来できないのがこの療法の鉄則ですから。